成長ホルモン分泌不全性低身長症は、ほかにも
成長ホルモン分泌不全症 、
成長ホルモン欠損症、
下垂体性小人症 などと呼ばれることもあります。
病名の通り、成長ホルモンの分泌が不足しているために低身長になる病気で、分泌の程度により重症や中等症、軽症などと分けることもあります。
見た目には身長が低くても体型的にも均整がとれているので、異常があるようには見えませんが、重症の場合には同時に性腺刺激ホルモンも不足していることが多いため、男性ホルモンや女性ホルモンの分泌が悪く、成人しても女性らしさ、男性らしさに欠けて見えるようです。
しかし、知能は全く異常はないので、普通に社会人として生活していくことは問題ありません。
後悔しないために
現在は子供さんが低身長でなくても、成長率の低下がみられる時(学校での背の順が前になってくるような場合)は、必ず小児内分泌専門医に診てもらいましょう。
成長ホルモン分泌不全性低身長症以外のホルモンの病気やその他の重大な疾患が隠されているケースも希にあるようです。
親御さんが子供の身長が伸びないことに気づいたときは、「思春期も終焉で手遅れに」ということでは子供さんがかわいそうですからね。
成長ホルモン分泌不全性低身長症の治療には、不足している成長ホルモンを補うかたちの、成長ホルモン療法で行うことになります。
成長ホルモンは脳下垂体から分泌されるが・・・
身長を伸ばす為に一番重要なホルモンである成長ホルモンは、脳下垂体という器官(臓器)から分泌されます。脳下垂体は、脳の下の部分に垂れ下がるように存在する器官で、小指の先くらいしかない小さなものです。
脳下垂体は、成長ホルモンの他にも、甲状腺刺激ホルモン、性腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモンなどの重要なホルモンを分泌している、小さいながらもとても大きな仕事をしている重要な器官です。
成長ホルモンの分泌不全というと、この脳下垂体だけの異常が原因と思われがちですが、実はそれだけではないようです。
脳下垂体の上にある視床下部よりさらに上の中枢組織から、視床下部に刺激が加わって、その視床下部から脳下垂体に働きかけて成長ホルモンが分泌されるという複雑なメカニズムになっているため、これらのいずれかの部分に異常がある場合、成長ホルモンの分泌が不足することになります。