カルシウムで身長が伸びる?

「牛乳で背が伸びる」のは本当なのか?

昔から、背を伸ばすには煮干や牛乳などカルシウムを多く含む食品を摂取することが良いということが言われてきました。
おそらく戦後生まれの、また若くとも30〜40代の方も子供の頃は、「牛乳を飲みなさい!」と親や学校の先生から、厳しく言われた経験を持つ方も少なくないと思います。

 

では本当に牛乳を飲めば背が伸びるのでしょうか?
おそらく現代の栄養学でも「牛乳と言えばカルシウム」というのは正しいと思います。
牛乳200ml中に、カルシウムは200mgも含まれているいるからです。

 

しかし本当のところは、いくら牛乳を飲んだからと言って身長が伸びる?というのは少し無理があるようです。
なぜならば身長が伸びるのに必要な栄養素は、当たり前のことですが、ひとつではないからですね。

たんぱく質の摂取が重要

戦後の日本人の身長がとても伸びたのは、「動物性たんぱく質」の摂取が増えたからと言われています。
たんぱく質は、ご存じのとおり、筋肉や身体を作る大切な栄養素ですが、実は背丈が伸びるために必要な「骨の伸び」にも大きく関係しています。

 

骨の成分と言えば「カルシウム」と思われがちですが、実は骨を伸ばすのに一番大切な栄養素は「たんぱく質」なんですね。

 

たんぱく質は骨や肉を作る「材料」となり、骨を作り背を伸ばす役割を果たします。
またたんぱく質は、骨の成長に不可欠な「成長ホルモン」の分泌を促進する働きがあります。
そしてカルシウムは、「骨を強くする」栄養素です。骨をビルに例えれば、骨組みの鉄骨が「たんぱく質」で、コンクリートが「カルシウム」と言えます。

 

骨を作るのが「たんぱく質」、骨を強くするのが「カルシウム」ということですね。

 

牛乳もたんぱく質が含まれるが・・・

では、牛乳が身長を伸ばすという俗説は、確かに間違いではありません。
カルシウムだけではなく、良質なたんぱく質や脂質、私たちが健康に暮らしていく上で必要な栄養素をバランスよく含んだ飲料だからです。

 

また牛乳にはビタミンも含まれ、主なビタミンはAとB2です。
Aは発育を促進したり、肌の健康を維持したり、目の健康に必要ですし、B2は栄養分の代謝を高め、食欲をわかせ成長促進に大切な役割を果たします。
その他にビタミンD、B1、Eなども含まれています。

 

確かに牛乳は、とてもバランスよく栄養を含んでいるので、是非子供には飲ませたい食品ですが、しかしながら、これらの栄養素だけで身長が伸びるというほど、簡単なメカニズムではないのですね。

 

とにかく栄養はバランスよく摂ることが大切になりますので、これについては後に解説します。

 

 

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